コラム of ぴっちょんち〜の

Column
著者:本人の希望により匿名

Vol.1 新たなるユニット!

ネタか?本気か?

阿部加奈子(Cla.)と河野岳美(B.Tp/Euph)
世代は違うが、なんだかんだと付き合いの長い二人がユニットを組んでみた。
この二人がクラシックユニットを組むのか?
いや、そんなことはしない。
そもそもクラシックは苦手と豪語している二人である。
じゃあ何やるのかと思いきや、選んだのは歌ものである。
それも男女デュエット曲ばかり。
演歌の世界にはそれこそ有名な曲が沢山ある。
考えてみれば、ミュージカルもオペラも男女混声だ。
それらの曲を歌ではなく管楽器でやろうってんだから恐れ入る。
歌には歌詞があるが、管楽器には当然歌詞はない。
この矛盾をどう表現しているのか、非常に楽しみなところである。




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Vol.2 ユニット名

ぴっちょんち〜の。

第一印象はふざけた名前だと思わせるこの名称。
本人達に確認したところ、大本はイタリア語とのことだ。
どうやら「piccioncino」と綴るらしい。
イタリア語辞典は持ち合わせていないのでネットで検索したところ、意味は「オシドリ」。
なるほど。
皮肉たっぷり。
性格の悪さがでている。
誤解を生んではいけないので予めお伝えするが、筆者はけっして悪い意味で言ってるのではない。
むしろ愛の告白である。
日本では夫婦に対して使われるこの単語。
当然ながらこの二人は夫婦ではないのにもかかわらず、この名称を付けた。
これが悪ふざけかどうかはともかく、この二人の仲の良さは周知の事実だろう。
でなければこの名前は成立しない。
しかし日本人のイメージするオシドリからは成立していない。
やはりこの二人、性格悪い。



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Vol.3 黒い棒

クラリネット

恥ずかしながらパパからもらって音が出なくなったものしか知らないのだが、筆者の稚拙なイメージで書いてみたいと思う。

まずイメージするのが「丸くて温かい音」だろう。
なんとなく「ぽー」っと平和なイメージである。

加奈子嬢の音色は明るく派手というのが第一印象であった。
筆者の持っているクラリネットのイメージとは違う何かがそこにあった。
しかし弱奏の美しさとどこまでも抜けていく明るいサウンドは聴きごたえがある。
これは少しクラリネットという楽器を調べてみよう。
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シャリュモーという楽器から発達したもので、18世紀初頭に発明。
シャリュモーが低い音域であったのに対し、クラリネットは高音で、小型の高音トランペット「クラリーノ」に音色が似ていることからこの名が付いた。
「クラリネット」や「クラリーノ」は、「明るい」「晴れた」「はっきりした」などを意味する「clear」と同源で、ラテン語で「明白な」「明るい」を意味する「clarus」に由来する。
語源由来辞典抜粋
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なるほど。
トランペットに音色が似ていたのかと驚きが隠せない。
確かに高音域の艶やかな音の伸びはトランペットのそれを彷彿させる。
そうか!だから相方がバストランペットなのか!
と勝手に想像してみる。

加奈子嬢の音色は語源通りであることは間違いない。
では、筆者のあの丸くて温かい平和的なだけのイメージはどこから?
喫茶店などでのBGMの影響か、学生時代に聴こえてきた吹奏楽部の練習の音なのか?
まぁこの際、そのイメージは払拭してみようと思う。



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Vol.4 珍しいのか目新しいのか

バストランペット

また珍しいものを持ち出してきたものだ。
実際音を聴いたのも、実物を見たのも、岳美氏の物が初めてである。
見た目はごついトランペット。
トランペットの1オクターブ低い楽器で、トロンボーン、ユーフォニアムと同じ音域とのことだ。
音色は聴く限り、トロンボーンの様でもあるがトランペット的でもある。

この楽器のことを書こうとしても、なにせ参考になるものがない。
調べてみるとクラシックばかりで使われているようだ。
ワーグナー、ストラヴィンスキー、シュトラウス、ヤナーチェク等々。
意外と多いなというのが筆者の感想だが、これらの曲が演奏されることが稀なため知名度はなく、楽器所有者も少ないらしい。

なぜこの楽器で?というのが素直な疑問である。
トロンボーンでもユーフォニアムでも同じ音域の楽器はあったはず。
その前に岳美氏はベーシストではなかったのか?
本人曰く、「マルチプレイヤーだから」となんともつかみ所のない答え。
少なくとも、筆者の前回コラムの想像とは違うようだ。

後日それらしい返答があった。
トロンボーンは実は苦手だと言う。
ユーフォニアムだとこのユニットには中性的だと。
まだ裏がありそうな表情で語る言葉の本心はどこにあるのかわからない。
まずはこの特殊楽器の音を追ってみたいと思う。
岳美氏がこの楽器の先駆者になることを大いに期待したい。



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Vol.5 インストと歌もの

昭和歌謡

2年くらい前に遡るだろうか。
加奈子嬢と岳美氏がどちらかのステージにゲストで出演していたことがあった。
まだ『ぴっちょんち~の。』を名乗る前だ。
その時に演奏していたのが昭和歌謡。
残念ながら曲名までは覚えていないのだが、懐かしい曲の中に新しい表現と出会ったことを記憶している。

管楽器で歌ものを演奏することはよくあることだ。
そのような譜面も出版されている。
しかし、ただそのメロディーをなぞっているだけのように聴こえてしまうのは筆者だけではないはずである。
誤解してもらいたくないのは、演奏者や譜面が悪いと言っているのではない。
やはり耳馴染みのある、ましてや歌詞ごと口ずさめる曲を器楽用にアレンジされては、当時の記憶とともに刷り込まれた曲とは別物であろう。
歌謡曲を演奏されても「ああ、懐かしいな。」程度の感想しか持ち合わせていなかったが、彼らの演奏は違う感覚に襲われた。
当時レコードやカセットテープで聴いていたあの感覚である。
まるで歌詞があるかの様に。

最近は昭和歌謡が流行っていると聞く。
テレビ関係者も口を揃えて同じことを言っていた。
楽譜等の出版物も増えているそうだ。
若手ミュージシャンもこの波に乗ろうと親の世代の曲を必死に演奏している。
あの手この手でこれらの楽曲をアレンジして自分たちなりに消化しようとしているのだろう。
一度この二人の『歌もの』を聴いてみることをお勧めする。
古き良きオールディーズに精通している岳美氏と、若い感性の加奈子嬢。
それらが昭和歌謡という土俵の上で交錯するのだから面白くない訳がない。



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